アサヒグループジャパン株式会社(以下、アサヒグループジャパン)では、国内グループ12社、約7,000名を対象に「LaKeel Online Media Service(以下、LOM)」を導入しました。
導入からわずか9ヶ月で視聴回数は3万3,000回を突破。同社の安全推進部 担当部長の入江亮一様に、導入の背景やそれまでの課題、LOMの活用方法などについて詳しくお話を伺いました。

 

 


 
お話を伺った方

安全推進部 担当部長 入江亮一様

アサヒグループの事業内容と安全への姿勢

—— まず、アサヒグループジャパンの事業内容と、そこにおける「安全」の考え方を教えてください。

入江氏:
アサヒグループジャパンは、ビールやウイスキーなどの酒類、飲料、食品など、多岐にわたる製品を製造・販売しています。私たちは、従業員の安全・健康・ウェルビーイングを、単なる人事施策ではなく、持続的な企業価値創造の前提条件として最優先事項に掲げています。

安全推進部は、国内すべての職場で全従業員が安心して働ける環境を整え、「休業・不休業災害ゼロ」を達成するために設立されました。私自身、長年製造現場で部長を務めてきた実体験があるからこそ、設備面などのハード対策と同じくらい、教育という「ソフト面」の重要性を痛感しています。

安全教育における課題:拠点間の格差と三交代制の壁

—— 安全衛生教育において、これまではどのような課題があったのでしょうか?

入江氏:
全国に多数の製造拠点を抱える中で、挟まれ・巻き込まれや墜落・転落といった重篤な災害をいかに防ぐかが課題でした。また、派遣・契約社員や入社直後の経験が浅い層に対し、安全情報を隅々まで徹底させる仕組みが求められていました。

教育の重要性は理解しつつも、実態調査では「日々の製造計画を優先する中で十分な教育時間が確保できない」「拠点ごとに教育の質や量にバラつきがある」といった実態が浮き彫りになりました。 さらに、三交代勤務の中で全員を集める時間の確保や、専門知識を持つ講師の選定、膨大な教材準備といった実務的な負担も大きく、教育を計画通りに実施すること自体が容易ではない状況にありました。ハード対策が進む一方で、教育というソフト面の徹底をいかに両立させるかが大きな課題となっていました。

LOM採用の決め手

—— 数あるサービスの中で、LOMを選んだ決め手を教えてください。

入江氏:
誰もが短時間で効率的に学習でき、当社の事業内容と親和性の高い実践的なコンテンツが豊富であったことが決め手です。導入検討にあたり、様々な教育教材や動画を比較検討しました。しかし、一般的な安全教材は網羅的である一方で、私たちのような食品・飲料業界に特化した内容は決して多くありません。 また、1コンテンツあたりの時間が長く、日々の業務に追われる現場の従業員が集中して取り組むにはハードルが高いと感じていました。

その点、LOMは現場目線の内容が多く、従業員が自分事として捉えやすいと感じました。また、法令改正への迅速な対応や、コンテンツが頻繁に更新され、教育が形骸化・マンネリ化しにくい点も、常に鮮度の高い安全意識を維持したい私たちにとって非常に魅力的なポイントでした。自分たちで教材を更新し続ける工数を削減しつつ、全拠点で「正しい共通の知識」を共有できる環境が作れると確信しました。

導入初期の工夫:現場の心理的なハードルをどう乗り越えたか

—— 導入当初、現場への浸透で工夫された点はありましたか?

入江氏:
2025年4月の開始当初は、活用状況に拠点差がありました。現場には既に独自の安全計画があり、新しい仕組みを取り入れることに慎重なケースもあったからです。そこで、まずは「利便性を実感してもらうための土壌」を整えました。具体的には、新入社員向けに24本の専用カリキュラムを作成したり、夏場には熱中症対策コンテンツを誰でもすぐに見られるよう発信したりと、現場のニーズに即した活用を提案しました。こうした「日々の業務に役立つ」という実感が広がることで、徐々に現場での自発的な活用が進んでいきました。

導入後の変化:3万回超の視聴と現場の「安全対話」

—— 実際に導入して、現場にはどのような変化がありましたか?

入江氏:
同年12月までの累計視聴回数は約3万3,000回に達しました。現在は個人視聴のみならず、朝礼や安全ミーティングでの動画活用も始まっており、現場の対話を促す「安全コミュニケーションツール」としての活用が広がりつつあります。こうした運用により、教育担当者の教材準備工数が大幅に削減され、より高度な現場対策に注力できる環境が整いました。担当者へのヒアリングでも、短時間で実践的に学べる点が高く評価されています。

 

—— 現場の「対話」が増えることで、どんな効果を期待されていますか?

入江氏:
入江氏:現場の「暗黙知を形式知に変える」効果です。動画をきっかけに、ベテラン社員が若手に対し「昔ここでこういう事例があったんだよ」「ヒヤリハットを経験してから、みんな気をつけるようになった」「この動きは危ないから気をつけよう」と、自身の経験を言語化して伝えるシーンが増えています。 こうした対話を通じ、相手が「この人は本当に安全を大切にしている」と感じる「フェルト・リーダーシップ」が醸成されることで、単なる知識の習得を超えた、生きた安全文化が根付いていくと考えています。

今後の展望:LOMをグループの共通言語とし、災害ゼロの達成へ

—— 今後の展望についてお聞かせください。

入江氏:
今後は、良い活用事例をさらに横展開し、職場の「暗黙のルール」を誰もが理解できる「形式知」へと変える取り組みを加速させたいですね。 また、現在は自社内で安全施策を推進していますが、自分たちの取り組みがどの程度のレベルにあるのか、今の内容で十分と言えるのかを客観的に把握することも重要です。先日開催されたLOMユーザー会のように、業界の垣根を越えて他社の知見に触れる機会は、自社の現在地を見つめ直す非常に良いきっかけになると感じています。

ビール、ウイスキー、飲料、食品と、扱う製品も設備も異なる多様な現場がありますが、LOMを共通言語として活用することで、グループ全体の安全レベルを底上げし、最終的にはすべての従業員が安心して笑顔で働ける「災害ゼロ」の達成を目指していきたいです。

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