医療用漢方製剤の国内シェア80%以上を占めるトップメーカーの株式会社ツムラ。
ツムラ茨城工場(茨城県阿見町)で働く約580名を対象に、安全衛生教育の拡充を図るため、「LaKeel Online Media Service」が採用され、2022年6月より運用を開始しました。
今回は、弊社コンテンツ制作チームの源とともに、ツムラ茨城工場を訪問させていただきました。
これまでも従業員の安全確保や安全水準の向上に取り組んできました同工場ですが、導入の背景や課題、また今後の活用イメージなどについて、生産本部茨城工場 総務管理部総務課で課長を務める佐藤修一様と、同課の課長代理である赤澤正功様、同課の保健師小室直美様にお話をお伺いしました。
ツムラ茨城工場が取り組む労働安全教育について
—— 今回、LaKeel Online Media Service(以下LOM)を導入した背景を教えてください。
佐藤様:
私たち、ツムラ茨城工場は『安全とWell-Beingが最優先された職場づくり』を2031年に実現したいビジョンと掲げています。いくつかのカテゴリーごとにアクションプランを設定し、2031年にはビジョンが実現できる未来を描いているのですが、そのためには、様々な取り組みを実施していき、なりたい姿に近づく必要があります。
そのための1つのツールとしてLOMを採用するに至りました。
—— なりたい姿に近づくための取り組みとして、例があれば教えてください。
佐藤様:
例えば、工場におけるリスクゼロの実現に向けた取組みです。
安全な工場を維持するためには、安全に関わるマイスターが必要だと私たちは考えました。つまり労働安全のスペシャリストです。安全の知識や安全を守るための作戦を考える現場のマイスターが積極的に介入することで、より安全への意識が高まり、行動変容が起こるのではないかと思っています。そして、そのマイスターたちが人材育成をしていくような取り組みも必要です。
自分たちの工場ですので、自分たちで人材育成をして、工場の『現場力』を上げていかなければいけません。
—— 『現場力』を上げるとは具体的にはどんなことでしょうか。
佐藤様:
『現場力』と言っても、色々な力があります。生産能力という意味では、ITやIOTなどのテクノロジーによって強化できる部分もあります。ただ、工場における『現場力』の1番の根幹は、安全が守られることだと思っています。そのための制度設計や仕組みづくり、人材育成は自分たちでやりたいと考えているので、そのための環境整備には力を入れています。5Sや指差呼称といった労働安全における基本的なことを徹底するための教育ですとか、階層別の理念教育、行動心理に基づいた対策など、色々なことを自分たちでできるのが理想です。
—— 制度設計や仕組みづくりにおいて、検討している取り組みはありますか?
佐藤様:
安全管理体制において、5人1組の5人組を検討しています。
小集団だと個人の考えや意見をリーダーは収集しやすいですし、逆に指示、注意事項は伝わりやすいと考えております。何より、大勢の中の一人から5人の中での一人という意識が働き、物事をリアルに感じられると思っているので、小集団として労働安全に向き合うことで、相乗効果で全体のレベルアップを狙います。このような活動から、安全文化醸成を一歩ずつ進め「労災ゼロ」の環境を作りますが、その為には「危険ゼロ」の環境が必須条件であり、更に「不安ゼロ」まで高める環境が最終ゴールと捉えています。
冒頭でもお伝えした通り、2031年に達成したいビジョンとして、『安全とWell-Beingが最優先された職場づくり』を掲げたのですが、このビジョンを達成するための土台として、『安全文化の醸成』と『新技術を活用した安全支援』が必要で、この2つが融合し昇華することで、リスクゼロの現場が実現され、ビジョンの達成がされるものと信じて行動をしています。『新技術を活用した安全支援』では、VRを活用した防災体験や、モーションカメラによる設備操作アシストや不安全状態の検出など、ハード面での取り組みで実現が可能なものと考え、今後設備投資ができたらよいなと思っているのが現状です。
一方で、『安全文化の醸成』ためには、まず管理職、一般職のマインドセットが重要です。
頭では危険有害要因はわかっていて、その危なさは知っているにも関わらず、事故がリアルに感じられない。自分事として捉えたり、危険を危険と捉えたりすることができない。『自分の職場ではこんな事故は起きない』と思ってしまうことが往々にしてあることかと思います。こういったことがなくなるように、ツムラ茨城工場では、現状把握、課題の明確化、阻害要因除去を徹底し、意識的に安全文化の醸成を促すようにしました。
『事故をリアルに感じる』といった面では、LOMのアニメーションによる生々しい描写が非常に効果的で、短い動画にも関わらず深層心理に突き刺さる感じがあり、とても役に立っています。
—— LOMを積極的に活用することで、実感した効果はありますか?
佐藤様:
2022年から製造部門が8課体制になり、これまでの体制の倍になりました。課の数が増えたことで、安全意識を統制することに不安を感じていましたが、それは今となっては杞憂でした。それはLOMを導入したからこそできたことだと思っています。
これだけ大きな組織体制となると、管理職のマネジメント力はもちろん、そこで働く従業員の意欲によって統制が取りやすい課とそうでない課が存在します。
そこで、LOMの視聴履歴を利用し、動画コンテンツを定期的に視聴しているか確認をするようにしてみました。すると視聴が出来ている部署とそうでない部署がハッキリ分かれる結果が見えてきたのです。継続的に視聴できるよう働きかけをし、各課長たちの支援を実施したのですが、これがとても良い結果をもたらしたと感じています。1つのコンテンツが2-3分程度でまとまって気軽に視聴できるというは大変魅力です。
それぞれ業務を抱える中で、安全教育は後回しにしがちですが、そうではなく、リーダーとなる課長たちが自分事として捉え、本気で安全衛生に取り組むことでその部下たちにも波及し、安全文化が醸成される。そのためには、リーダーたちが本気になる、本気にさせる。それが自分自身の今の目標であり、一生懸命取り組んでいます。
徐々にその効果も表れ、現在は視聴数のチェックをし、報告したり、新たな動画コンテンツを伝えたりする啓蒙活動が中心となってきていますね。
赤澤様:
受け入れ教育の時にも、LOMを利用し、労働災害の中で特に多いとされる『転倒災害』や『はさまれ・巻き込まれ』などの動画をはじめ、様々な種類の動画を見て学んでもらっています。理屈抜きで、危なさや怖さが伝わるので効果抜群です。また、工場の従業員のほとんどは、車で通勤していますので、LOMを使った交通安全教育も実施しています。
これまで、労働安全における教材を数多くみてきましたが、ここまで説得力があり、ユニークで使いやすい教材はみたことはないです。熱中症や感電、台車事故など動画の説得力が本当にすごいと思っています。
(ラキール)源:
LOMが目指していることは、企業の『レジリエンス能力』、つまり変化や困難、脅威、に直面したときに適応し成功できる能力の向上です。そのために、従来の労働安全衛生教育でよくみられた『失敗事例』から学ぶだけではなく、『成功事例』からも学ぶ手法をとっています。その点は他の教育コンテンツとは大きく異なり、強みだと思っているので、その点が理解されると嬉しいですね。
佐藤様:
現状のうまくいっていることに目を向けることは良いですよね。成功事例の裏には、必ず理由があるはずですから。LOMは、一言で言うと、とっつきやすくて面白い。だからLOMはいろんなタイプの人、特に勉強嫌いな人に見て欲しいと思っています。
今後も積極的に活用していき、教育を継続していくことで、『安全文化の醸成』を実現させたいですね。
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LaKeel Online Media Serviceの誕生秘話
赤澤様:
LOMは今まで、ありそうでなかったサービスなので、良いところに目をつけたなと思うのですが、なぜ労働安全教育をアニメーションで伝えようと思ったのですか?
(ラキール)源:
食品衛生コンサルタントの会社で勤めていた時に、食品衛生に関するアドバイスをするため、何千件もの食品工場やレストランなどに関わってきました。現場での講習会などを実施する際に様々な取り組みを工夫しながら行っていたのですが、『伝わらない』ということが本当に多く、伝えることの難しさを日々感じていました。
なぜ『伝わらない』のか色々調べていくと、伝える方法、つまり教育方法に理由があるのではないかという仮説を立てることができました。
そのきっかけは、アンドラゴジーという成人学習理論の存在です。私たち大人は、これまで、小学校から中学、高校と教育を受けてきたので、その方法で、大人に対しても教育をしがちですが、それがあまりよろしくなく、大人には大人向けの教育方法が効果的ということがわかったからです。
また、教育方法以外として、学ぶ側のモチベーションの持ち方についても重要ということがわかりました。学ぼうとしない人たちにどうすれば学んでもらえるか。
どうやって知識を習得・定着してもらうか。それらの解決策として、漫画を利用した教育漫画を製作し説明を始めたのがLOMのスタートになります。
難しい概念をわかりやすく漫画に落とし込むやり方は、好評でWHOの組織に属する国際機関ICMSFの方から評価いただくこともありました。ただ、製作を続けていく中で、静止画である漫画に限界を感じたこともあり、漫画以上アニメ以下ぐらいのアニメーションコンテンツを利用した新学習方法、LOMが生まれました。
佐藤様:
ユニークなアニメーションで本当に興味を持って見ることができる動画になっているのですが、動画制作はどのように進めていくのですか?絵コンテなどから書き進めるのですか?
(ラキール)源:
まずは、テーマとなる文献を読み込んでシナリオを書きます。その後、ネームを描いて、絵コンテを描く作業に入るのですが、その時に最も意識しているのが、見る人達がどうしたら、内容を理解できるかということです。
エンタメを作るのではなく、あくまで教育動画コンテンツなので、教育効果の最大化を図るために心理学の要素を取り込みつつ、いらない情報は省くような仕掛けを散りばめています。安全面ではSafety-Ⅰ※理論に基づいた動画コンテンツが多くあるのですが、それでは限界になりつつあるので、Safety-Ⅱ※の考え方を取り込み、より教育効果が高まるよう製作を進めています。
※Safety-Iでは、安全を「失敗の数が受容できる程度に少ないこと。」と定義しています。事故やインシデントが起こらないようにする考え方で、「うまくいかないこと」に着目し、その固有の原因を特定することで、個別の対策を講ずる後追い型安全管理です。一方でSafety-IIはレジリエンス・エンジニアリング理論に基づく新しい安全マネジメントで、安全を「成功の数が限りなく多いこと。」と定義しています。様々なトラブルや制約の中で、物事がうまく行われ、意図する結果が得られるように、絶えず変化する日常業務が現場でどのように行われているのかを注視し、理解することを重視した先取型安全管理です。詳しくはこちら
佐藤様:
数分間の動画という制約の中で、教育効果を発揮する、質の高い動画をシンプルに仕上げることは想像以上に難しいのだろうと話を聞いていて思いました。
(ラキール)源:
そうですね。情報を削ぎ落しすぎると伝わらないですし、専門家の方からみると、用語の簡素化で、ちょっとおかしいのではないか、と指摘が入ることもありますので。
昔『セサミストリート』という子ども向けテレビ教育番組があったのですが、そこで取り入れられていた映像理論に『粘りのある情報』というものがあります。
例えば字幕は上か下どちらに置いた方が良いのか、画面を4分割にした時に重なる部分に物を置いた方が印象に残るなど、記憶に残る映像について彼らはとても研究をしていましたので、それらの理論もうまく活用しながらLOMの動画を製作しています。これはあまり知られていない事ですが。
佐藤様:
動画コンテンツの最後に、動画を製作するに使用した参考文献が多く紹介されていますが、参照文献量がとても多く、文献を読むだけでも相当な時間がかかるのではないでしょうか?
(ラキール)源:
2-3分の1つの動画を作るために、何本もの文献が必要となりますが、『読む』ことより、本質を捉え、抽出することが骨の折れる作業です。読み込んで、本質だけをとにかく抜きだす。この本質を捉えることがわかりやすい動画のためにはとても重要だと思っています。
佐藤様:
動画コンテンツのタイトルが絶妙なのは、テーマの本質を捉えているからですね。だからこそ、幅広い階層の人に動画コンテンツが評価され利用されているのだと妙に納得できました。あれ以上動画の情報を削ぎ落すとわかりにくく、情報を残しすぎるとしつこく、伝わらない動画になりそうですよね。作り手の想いを知れたことで、さらに説得力が増しました。
(ラキール)源:
知っていれば救える命が沢山ありますので、命を守るとは大袈裟かもしれませんが、そういったことを今後も実現していきたいですね。
赤澤様:
今日お話を聞いて、本当にLOMを作っている方だなぁと感じましたね。専門的な知識はもちろんですが、作り手の方の想いが伝わったのでお話が聞けてよかったです。さらに動画の説得力が増しましたね。
ツムラ茨城工場の健康経営について
—— ツムラ茨城工場のビジョン『安全とWell-Beingが最優先された職場づくり』について、安全文化の話を先ほど伺いましたが、ここからは、健康経営についてのお話を伺いたいと思います。
小室様:
ツムラ茨城工場では、健康経営のスローガンとして『いきいき工場・ヘルシーファクトリー』を掲げ、健康文化の醸成を図る取り組みを推進しています。
私が入社した2017年から調査をし、改善に取り組んでいますが、当初茨城工場の有所見率は高く、検査結果『要精密』の従業員が多いことは一目でわかる状態でした。運動習慣や食習慣など様々な指標で悪い結果がでており、何とかしないといけない状況だったことを憶えています。最終的な目標は、異常所見率の低下なのですが、そのためにまず、生活習慣の改善をしようということを考えました。
働いていると、休養しているにも関わらず疲れが残ってしまうことや、仕事やそれ以外のストレスを発散できず抱えてしまうことは誰しも経験したことがあるかと思います。茨城工場では交代勤務を実施しているので、生活のリズムを整える必要もあり、睡眠不足になることもあります。休養や睡眠など、健康状態のベースが崩れてしまうと、生活習慣を整える土台も崩れがちなので、みなさんの生活習慣の改善するにあたり、その点は非常に苦労しました。病気になってから、健康な状態に戻すのは大変なので、いかに健康な状態を維持するかが大切です。
有所見率に関しては、コロナの影響で悪化してしまったこともありましたので、【Back to 19プロジェクト】という、健康プロジェクトを立ち上げ少しずつ成果がでてきたところです。
労働安全衛生教育の話でもありましたが、モチベーションがない人や知識がない人にどうやって教育を実施し、行動変容を起こすか。これはとても大切なポイントです。
野菜が取れているか計測できる機械を使って、自分自身の野菜摂取量を測る取り組みですとか、禁煙が出来た従業員にインタビューを実施し従業員に共有することで自分事にしてもらう取り組みなど、試行錯誤しながら健康経営に向けて活動をしています。LOMの中にも健康コンテンツがあるので今後はもっと活用しようと考えているところです。
—— LOMを活用するメリットは何かありますか?
小室様:
動画でコンパクトに伝えたいことがまとまっているので、理解しやすいですし、ニュートラルな気持ちで内容を受け止められるメリットがあると感じています。
健康に興味がない人達に、『健康診断の話をします』となると身構える人が多いですし、今まさに保健指導を実施しているのですが、指導を受けることにマイナスイメージを持つ人がほとんどで、『呼ばれたから来た』という気持ちなので、そういう意味ではとてもよいツールだと感じています。限られた教育時間の中で、健康教育を実施できる時間って本当に少ないと思っていて、我々のように1時間とるのも大変だという企業は多いと思います。そんな中で、LOMは長くても10分で見ることができますし、1回で終わりでなく、シリーズ化になっているコンテンツもあるので、数分間の動画をこまめに繰り返し見ることができるのは、工場など教育時間を長時間確保できない業種にとっては、本当にメリットがあると思っています。
—— 健康経営の取り組みでLOMが貢献できることは何かありますか?
小室様:
健康経営に取り組む企業が増えている中で、経済産業省の取組みである『健康経営銘柄』が注目されていると思いますが、その要件の中に、食生活改善や運動機会の増進、女性の健康保持、長時間労働者への対応、その他、メンタルヘルス対策、感染症予防対策、喫煙率低下など様々な取り組みを実行している必要があります。
LOMのコンテンツでカバーできるものがほとんどだと思いますので、必要とされる企業多いのではないでしょうか。
(ラキール)源:
おっしゃる通り、健康経営関連のニーズが多く、今色々な企業の保健師さんと連携してよいコンテンツが作れないか企画設計しているところです。例えば、具体的な課題を抱えている保健師さんから、従業員に教えたい専門的な知識を我々に教えていただき、腹落ちするための表現方法を私たちが考えます。その上でアニメーションを制作し、どんどん公開していくような未来が理想ですね。直近では喫煙率低下に向けたコンテンツの制作を進めています。
小室様:
健康経営の評価項目を充たすコンテンツの需要は高いと思うのですが、私自身が保健師として働く中で改善に取り組んでいきたいと思っていることが2つあります。
まず1つ目は、自己保健義務の教育です。自己保健義務とは、自分の健康を自ら管理し安全に働くことができるよう主体的に行動する義務のことを言います。
安全配慮義務は、よく使われる言葉になってきましたが、自己保健義務についてはまだまだ認知されていないと思いますので、自己保健義務の教育は積極的に取り組んでいきたいと考えています。
(ラキール)源:
現場の方々が抱える教育への課題感は文献を見ているだけではわからないので参考になります。厚生労働省などが文献で出している事故事例から想像して、教育コンテンツを作成しても本質的な課題解決に至らないことがほとんどです。現場で働く方々が、どこに困っているか、その細部を知り、その細かな課題に適切に対処できるようなコンテンツを作っていく。そして、そのコンテンツが多くの企業の方々に共有され、一人でも多くの人の安全が守られることが私たちの使命だと思っています。一つの会社の個人の悩みかもしれませんが、実は、どこの会社の人も困っているケースはとても多いので、ぜひお客様には困っている課題を共有して欲しいですね。
佐藤様:
自分たちのリクエストが、他の企業にも当てはまるような汎用性のある動画であれば、無料で作ってくださるのは、LOMの大きな魅力で強みだと思っています。それによって、どんどん動画が増えいく可能性があるので、新しい動画が公開されるのがとても楽しみです。
—— 受援力の育成とラインケアを充実させ、従業員がより安心して働きやすい工場へ
小室様:
私が今後やりたい2つ目の取り組みは、『受援力』を育む取り組みです。聞き慣れない言葉かと思いますが、助けを求めたり助けを受けたりする心構えやそのスキルことを言います。ツムラには様々な相談窓口が沢山あるのですが、利用人数は決して多くありません。『こんなこと相談したら迷惑じゃないか』と思うことが多いのかも知れません。
相談できる場所があるのに、相談できない。その結果、健康を害してしまう。こういったことはなくしたいと考えています。時間がかかる取り組みなのかもしれませんが、改善できるようしっかり勉強して取り組んでいきたいと思っています。
(ラキール)源:
アメリカでは今、セルフケアの考えが注目されています。自分のケアができていなければ、人にケアできないですし、自分が幸せじゃないと人を幸せにできないといった考え方ですが、日本の場合は自分より他人を優先するような自己犠牲の風潮がありますよね。
小室様:
周りの人や会社に気を遣いすぎてしまい、相談できないということはありますよね。
一方で健康のことは自分でやるのが当たり前といった自己責任論のような風潮もあります。本当はそうではなく、助け合っていいですし、わからないことは聞いていいですし、相談していいのですが、全部自分でやらなければいけないと思う人が増えてきているように感じます。相談窓口の専門家としてのアドバイスや支援先へのコーディネートなど架け橋になることもあるので、困ったら専門家を頼って欲しいですね。
佐藤様:
まずは従業員それぞれが自分自身と向き合い、健康管理を行う。そして困った時には専門家に相談する。そのために会社は相談しやすい環境を含む職場環境を整備、改善する。セルフケアとラインケアの2つが大事ですよね。
—— ラインケアの充実に向け、何か取り組んでいることはありますか?
佐藤様:
ツムラ茨城工場では、管理職のラインケアの知識やスキル向上のために、メンタルヘルス・マネジメント検定(ラインケアコース)の取得を推奨しており、私もこの資格を取得しました。
管理職が部下たちのちょっとした変化を感じるためには、良好なコミュニケーションと関係性が大切です。そして、日頃からラインケアの意識を持っていないと簡単にできるものではありません。また、相談された時に、相手の立場に寄り添い、傾聴しなければいけません。
そんな当たり前のことを当たり前に行うことで、格段に働きやすい環境になるので、ラインケアが当たり前の文化を作っていきたいです。
小室様:
実際、ここ数年でラインケアが機能しだしたおかげで、ラインケアをきっかけとした相談件数が全体の9割近くになってきています。今は、健康診断の結果をもらい、再検査で未受診リストなどを管理職に伝えると、あっという間に返事が来るようになりました。それは、管理職が健康に対して管理すべきという認識が生まれ、介入してくれるようになったからだと思っています。これはラインケアによって変わった大きな点です。
—— 本日は貴重なお話ありがとうございました。今後も意見交換をさせていただきながら、お客様にとって有益で利便性の高いサービスを引き続き提供できるよう尽力させていただきます。
佐藤様:
こちらこそツムラ茨城工場の安全をお手伝いいただくパートナーとしてお付き合いさせていただければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
—— 本日はありがとうございました。
■お客様プロフィール
株式会社ツムラ 茨城工場 様
所在地 | 〒300-1192 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 |
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従業員数 | 582人(11/30現在)※茨城工場の従業員数 |
事業内容 | 医薬品(漢方製剤、生薬製剤他)の製造販売 |
URL | https://www.tsumura.co.jp/ |