安全衛生教育で
化学工業が最も注意すべき点は?
安全衛生教育とは、事業者が雇い入れた労働者に対して行う、安全や衛生についての教育です。安全衛生教育は、労働安全衛生法第59条、第60条によって定められており、「雇入れ時の教育」「作業内容変更時の教育」「特別の危険有害業務従事者への教育(=特別教育)」「職長等への教育」「危険有害業務従事者への教育」「安全衛生水準向上のための教育」などが義務付けられています。
また、厚生労働省では能力向上教育や健康教育などの労働災害の防止に必要な教育については、法定外のものであってもカリキュラムを定め、企業の自主的な安全衛生活動の促進を図っています。
安全衛生教育の目的は「実際の作業場で災害を起こさない」ことです。「頭」で危険を理解し、「体」で安全を確保する行動をとる、という「頭」と「体」の両面で安全を確保することが不可欠となります。そのためには、十分な「教育」と「訓練」が必要です。
安全衛生教育を実施することで、職場における労働災害防止に必要な対策や、災害発生時の対応、リスクアセスメントなどを学ぶことができます。
化学業界における安全衛生教育
化学業界では、取り扱う物質の特性から、特に安全衛生への意識が必要です。
国内の化学業界の現場で扱われている物質の中には、危険性や有害性が不明な物質も多くあります。
化学物質によるばく露災害を防ぎ、労働者の健康と安全、そして快適な職場環境を守るためには、化学物質の適切な管理が欠かせません。
化学物質を適切に管理し、労働災害を防ぐためには、労働者が取り扱う化学物質の危険性やリスクを理解していることが重要であり、事業者側には労働者教育の実施が求められます。