少子高齢化による働き手不足により、高年齢労働者の役割がより重要になってきています。そのような中、企業は高齢労働者が働きやすい職場を作る必要があります。今回は、高齢者の特性を考慮した「エイジフレンドリー」な職場づくりが求められている背景や企業に求められる取り組み、エイジフレンドリー補助金制度について解説します。企業に求められる取り組みの一環として、重要な労働安全衛生教育を効果的に実施する方法をご紹介しておりますので、ぜひご参考にしてください。


エイジフレンドリーとは?

「エイジフレンドリー」の定義と求められる背景をご紹介します。

エイジフレンドリーとは?

エイジフレンドリーとは、厚生労働省によると「高齢者の特性を考慮した」を意味する言葉です。WHOや欧米の労働安全衛生機関で使用されている言葉であるとされています。

2020年(令和2年)3月16日に「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」が公開され、具体的に企業に求められる取り組み事項が示されています。

エイジフレンドリーが求められる背景

エイジフレンドリーな職場づくりが求められる背景として、労働災害の高齢就業者の増加が挙げられます。

高年齢労働者の雇用・就労が促進される中で、労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の労働者が占める割合が増加する見込みがあることから、より一層、高年齢労働者が安心安全に働ける職場環境の実現が求められるようになりました。

また少子高齢化による高齢者や女性の労働力確保を今後も推進していく必要がある中で、年齢などを問わず、誰もが働きやすい職場づくりを進めていく必要性もあります。

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エイジフレンドリーな職場づくりのために企業に求められる取り組み

エイジフレンドリーな職場づくりのために、具体的には、どのような取り組みが企業に求められるのでしょうか。主な取り組みを見ていきましょう。

安全衛生管理体制の確立

法令で義務付けられている安全衛生教育の実施はもちろんのこと、安全衛生管理体制を確立し、経営トップによる安全衛生方針の表明や人員配置などが求められます。

高年齢労働者の労働災害のリスクアセスメント

高年齢労働者の身体機能低下に合わせて、起こりうる労働災害リスクを洗い出し、リスクを減らすための手順や方法を検討するリスクアセスメントを実施します。

職場環境の改善

高年齢労働者の身体機能低下を考え、職場環境をハード面、ソフト面双方から改善します。

ハード面の例:
照明の工夫による照度の確保、段差のある場所の段差の解消、腰痛予防の補助機器の導入など

ソフト面の例:
短時間勤務、隔日勤務、フレックスタイム制などの勤務形態等の工夫、作業スピードにゆとりを持たせるなど

健康診断や体力チェックデータの活用

定期的に健康診断や体力チェックを行うことにより、企業側が状態を把握し、作業面で適合させること、また健康支援に役立てることが大切です。

安全衛生教育と教育訓練

高年齢労働者に限らず、労働災害を予防するには、労働安全衛生教育が重要になります。特に高年齢労働者は、十分な時間をかけ、ゆっくり丁寧に教育を実施していく必要があります。また再雇用者などへの丁寧な教育訓練も必要です。

講義形式だけではなかなか伝わらない、意欲が引き出せないというケースも考えられます。そのような場合には、わかりやすく学べる動画やアニメーションを利用した教育動画を用いた講座など、より効果的な実践方法もあります。より効果的な方法を実施しましょう。

【関連リンク】安全衛生教育の内容や種類・具体例を分かりやすく解説

労働者自らの健康管理、運動習慣の推進

労働者に自ら進んで自身の健康管理に努めてもらう仕組みづくりや啓発も大切です。また運動習慣を持つことを推奨し、職場でも体操の機会を設けるなどすることが大切です。

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エイジフレンドリー補助金とは?

企業がエイジフレンドリーな職場づくりを進めるに当たっては、補助金を利用できる可能性があります。ここでは概要を解説します。※2024年(令和6年)時点の情報です。

エイジフレンドリー補助金とは

エイジフレンドリーな職場づくりのために中小企業事業者に対して設置された補助金制度です。

高年齢労働者の労働災害の防止対策や、転倒、腰痛予防のための専門家による運動指導、労働者の健康保持促進のための取り組みに対して、一定の要件を満たした際に補助されます。

対象事業者は、労災保険に加入し、1年以上事業を実施しており、役員や派遣労働者を除く、コースごとの指定の条件の労働者を雇用している中小企業事業者です。

3つのコース

2024年(令和6年)の時点では、同制度には3つのコースが設けられています。

1.「高年齢労働者の労働災害防止コース」

労働災害を防ぐために、高年齢労働者の身体機能の低下を補う設備や装置の導入の際の機器の購入や工事の施工などにかかる経費を補助します。

2.「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」

転倒や腰痛による行動災害を予防するべく行う、専門家などによる運動指導や身体機能のチェックなどに対する経費を補助します。

3.「コラボヘルスコース」

健康保険組合などの保険者が企業と連携して行う、保険加入者の健康づくりの活動であるコラボヘルスなどの取り組みに対する経費を補助します。

1は補助率1/2、2と3は補助率3/4であり、1と2は100万円、3は30万円(いずれも税抜き)を上限に補助されます。

  コース 補助率 補助上限額(税抜き)
1 高年齢労働者の労働災害防止コース 1/2 100万円
2 転倒防止や腰痛予防のための
スポーツ・運動指導コース
3/4 100万円
3 コラボヘルスコース 3/4 30万円

出典:エイジフレンドリー補助金について

なお、2025年(令和7年)でも、エイジフレンドリー補助金は継続して利用できる予定です。最新の情報につきましては、厚生労働省のHPよりご確認ください。

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まとめ

エイジフレンドリーは、今後さらに力を入れるべき施策といえるでしょう。

エイジフレンドリー施策のための安全衛生教育は、わかりやすく丁寧に行うことが大切といえます。実施するにはラキールの企業向け動画配信型安全衛生教育サービス「LaKeel Online Media Service」がおすすめです。

学ぶ側の年齢問わず、アニメーション動画と信頼のおける教育理論でわかりやすく学べるのが特徴です。反復性もあるため、知識の定着効果も高く見込めます。

この機会に、ぜひエイジフレンドリーな安全衛生教育を進めましょう。


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