食品衛生教育とは、飲食店や食品製造工場などで食品を衛生的に調理したり取り扱ったりするよう、事業者が従業員に対して実施する教育です。
新人やアルバイトに仕事のやり方をレクチャーする職場教育に加えて、食品衛生教育では、食の安心・安全を確保するために必要な事を教えることが不可欠です。食品衛生教育は知識・技術だけではなく、食品衛生法やHACCPのような食品衛生に関する制度・システムについての内容も含まれています。

食中毒予防の手洗いを始め、食の安全を守り、健康被害を出さないために重要な食品衛生教育。
その知識・技術の習得は、食品事業者の責務であると「食品衛生法」で規定されています。

今回はその食品衛生教育とは何か、どのような内容を行う必要があるのかをご紹介します。

食品衛生教育とは

食品衛生教育とは、食中毒の発生防止をはじめ、安心・安全に食品の調理製造をするために必要な食品衛生について、事業者が新人や既存の従業員に対して行う教育です。食品衛生教育の実施は、食品衛生法という法律で以下のように定められています。

第3条
食品等事業者は、(中略)自らの責任においてそれらの安全性を確保するため、販売食品等の安全性の確保に係る知識及び技術の習得、販売食品等の原材料の安全性の確保、販売食品等の自主検査の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

食品衛生法以外にも、集団給食施設等における食中毒を予防するための「大量調理施設衛生管理マニュアル」や「食品等事業者が実施すべき管理運営に関する指針(ガイドライン)」など、厚生労働省が策定・提示している資料においても、衛生知識の普及啓発や衛生教育の実施が規定されています。

以上のことから、食品衛生教育を実施し、食品の安心安全を確保することは、お客様のためだけでなく、ビジネスを維持・発展させるためにも重要であることは言うまでもありません。

食品衛生教育の種類と内容

食品衛生教育では、具体的にどのような内容を教育する必要があるでしょうか。

食品衛生法では、一般的な衛生管理にについて、省令で基準が定められています。そこには、施設や設備の衛生管理や使用水等の管理、ねずみ及び昆虫対策、廃棄物及び排水の取扱い、食品または添加物を取り扱う者の衛生管理などの項目があります。食品事業者は、このような広範囲の内容の知識・技術の習得をする必要があります。

ここでは、食品衛生教育における主な内容をピックアップしてご紹介します。

●手洗い

食品衛生の中でも基本であり、重要なのが手洗いです。食品を取り扱う際に求められる理由や目的、衛生的手洗いの方法などを教えます。

関連記事:食品を扱う方の衛生的な手洗いとは?実施徹底のための教育手法

●衛生管理の基本の5S

食品を製造する現場を衛生的な環境に保つための衛生管理の基本として「5S」があります。5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つをローマ字表記すると頭文字がすべてSであることに由来する言葉です。

関連記事:5Sとは?職場環境改善に取り組もう!

●有害生物についての知識

ゴキブリやコバエ類などの有害生物に関する知識です。予兆、生態、予防法などを教えます。

●二次汚染について

二次汚染とは、交差汚染とも呼ばれるもので、調理中の食品が、まな板や調理器具類、調理する人の手を経由することで細菌やウイルスに汚染されることです。食中毒予防の三原則の中の「つけない」が大切であることなどを教えます。

●食中毒の基礎知識

ノロウイルスなどをはじめとした食中毒について、食中毒を起こすウイルスの知識や予防策、対策などを教えます。

●コンタミネーション(異物混入)について

コンタミネーションとは「汚染」という意味で、食品を製造・加工する際の微生物汚染や異物混入のことを言います。例えば食品を扱う工場で、製品に意図しない食材が混入した場合、混入した食材にアレルギー症状を持つ人が喫食し、アレルギー反応を起こすことが考えられます。そのため、コンタミネーション対策として、製造ラインを十分に洗浄することや、同じ製造器具を使いまわして利用することは避け、製造ライン専用に製造器具を別々に分けることで混入リスクを下げるなど、適切な対応が必要です。

関連記事:コンタミネーションとは?食品衛生における防止策もご紹介

●従事者の身だしなみ

食品を取り扱う従事者は、毛髪など異物混入や服装からの食品汚染を防止するため、清潔で作業に適した身だしなみが求められます。爪は短く切り、マニキュアはしない、白衣や靴は調理専用で毎日清潔に保つこと、帽子、マスク、手袋の着用目的や方法などを教えます。

●従事者の体調管理

調理する人によって現場に危険な菌やウイルスが持ち込まれてしまうと、食品を汚染し、食中毒の原因となる危険性があります。体調管理につとめることのほか、毎日の健康チェックや検便の重要性を教えます。

●HACCPについて

HACCPとは食品衛生管理の国際規格の一つで、日本では2021年6月1日からすべての食品等事業者はHACCPに沿った衛生管理を行うことが義務化されました。このHACCPの仕組みやHACCPの考え方に基づく衛生管理の知識を教えます。

関連記事:食品衛生管理とは

●その他

食品衛生責任者について
食品衛生法に基づく許可や届け出により営業を行うすべての食品取扱施設では、食品衛生責任者の設置が義務付けられており、そのための資格や受けるべき講習などを教えます。

関連記事:食品衛生責任者とは?メリットや対象者をお伝えします
関連記事:食品衛生責任者講習とは?受講方法やメリットを解説


LOMを使った食品衛生教育

食品衛生教育は、さまざまな方法で行われていますが、中でも効果的な教育方法として、ラキールが展開する動画配信型教育サービス「LaKeel Online Media Service」、通称 LOM(ロム)があります。

LOMはさまざまな業界の企業に対して、食品衛生教育や安全衛生教育など幅広く、ニーズに合わせたコンテンツを提供する教育サービスです。

今回ご紹介した食品衛生教育の内容は、すべてLOMで学ぶことができます。
食品衛生の基本である「正しい手洗い」のサンプル動画がございますので、ぜひ一度視聴してみてください。


サンプルムービー

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●学ぶ側と教育側の架け橋となる

LOMの大きな特徴は、学ぶ側の学習意欲を湧かせ、教える側との架け橋となる点にあります。

LOMでは「ARCSモデル」を採用しています。ARCSモデルとは、もともと学習する意欲のない人の学習意欲を上げるために開発された教育モデルで、Aは「注意(アテンション)」、Rは「関連性(レリバンス)」、Cは「自信(コンフィデンス)」Sは「満足(サティスファクション)」を意味します。ARCSモデルは、これらの4つ心理的ステップと12の関連要素を含んだ理論から成り立っています。

このARCS理論に基づき、3分以内の短い動画や視覚的に理解しやすいアニメーションなどのコンテンツを制作しています。

LOMは「絵」を使って動画を制作しています。文字や写真で説明するよりも、絵にすることで直感的に、情報を補正して理解をしてもらうことができ、ポイントを絞って表現することができるのでより分かりやすくなります。

また、ITソリューションとして、マイページ機能や視聴履歴の管理、オンラインでのテストなどのe-ラーニング機能が備わっており、教育側の利便性も高めます。

LOMは、これらの方法で、学ぶ側と教える側をつなぐ架け橋となり、食品衛生教育を効果的に実施するのをお手伝いします。

●食品衛生 LOM導入事例

実際にLOMを導入した事例として、 導入した目的や背景、現場での活用イメージなどが詳しく記載された以下の記事もご覧ください。

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食品衛生教育事例
・兵庫県手延素麺協同組合がHACCPに沿った衛生管理強化に向け「LaKeel Online Media Service」を採用
・高級麺の池島フーズが食品安全教育の浸透へ向け「LaKeel Online Media Service」を採用
・はくばく、安全教育のDX化により教育コストを90%削減


まとめ

食品衛生教育は、食中毒など、食品事業者にとっての大きなリスクを避けるために、確実に実施していく必要がある活動です。その対象は食品衛生管理にとどまらず、施設の衛生管理や労働安全衛生も関連した内容となっており、それらを包括した教育・指導を行うことで、リスクをより低減させた最適な労働環境を実現できるでしょう。

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食品衛生管理とは

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